大判例

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広島高等裁判所岡山支部 昭和27年(う)229号 判決

所論は要するに被告人の本件所為を以つて、一罪として処断すべき集合犯なりと主張して、原判決の法令の適用を非難するので、その当否につき判断するに、物品税法第十五条は「第一種第七十二号ニ掲グル物品ノ小売業ヲ営マントスル者又ハ第一種若ハ第二種ノ物品(第一種第七十二号ニ掲グル物品ヲ除ク)ヲ製造セントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ニ申告スベシ其ノ小売業又ハ製造ヲ廃止セントスルトキ亦同ジ」と規定し、また同法第十八条は「左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五年以下ノ懲役若ハ五十万円以下ノ罰金ニ処シ又ハ之ヲ併科ス一、政府ニ申告セズシテ第一種第七十二条ニ掲グル物品ノ小売業ヲ営ミ又ハ第一種若ハ第二種ノ物品(第一種第七十二号ニ掲グル物品ヲ除ク)ヲ製造シタル者」とし、同法第二十五条は「自己又ハ同居ノ親族ノ用ニノミ供スル第一種ノ物品(第七十二号ニ掲グル物品ヲ除ク)又ハ飴蜂蜜若シクハ清料飲料ヲ製造スル者ニハ当該物品ニ付本法ヲ適用セズ」と規定しているのである。これによつて見れば、物品税法は同法第一条に掲げる課税物品のうち、第一種第七十二号に掲げる書画及び骨董については、それが小売業の対象となされる場合に限りこれを捉えて課税する方針を採り、その小売業を営まんとする者に申告義務を課し、その違反に対して制裁を規定しているのに反し、飴その他爾余の第一種竝びに第二種の物品については、それが製造者の自家使用にのみ供せられる場合を除き、業としてなされるか否かを問わず一切の製造を捉えて課税する方針の下に、単に業としてこれ等の物品を製造する者に限らず、製造業者でないただ一回の製造者に対しても申告義務を課し、その違反に対しては製造行為毎に制裁を加うべき趣旨と解するのが相当であつて、同法第十五条及び第十八条が第一種第七十二号の物品については「小売業」という語を用いながら、その余の物品については単に「製造」という語を使用するに止め、製造業という語の使用を避けているのは、叙上の法意を示したものといわなければならない。これを要するに同法第十八条第一項第一号前段の無申告販売犯は格別、同号後段の無申告製造犯を以つて、構成要件の性質上、当然同種行為の反覆が予定せられている集合犯と解し、一罪を以つて論ずるわけにはゆかないものである。従つて右と同旨の見解の下に、本件を併合罪として処断した原判決は正当であつて所論のような法令適用の誤はない。

(註。本件は量刑不当により破棄自判)

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